品質を決めるもの
以下の書籍に「品質を決めるもの」について記載がありました。勉強になったのでメモっときます。
- 作者: トム・デマルコ,伊豆原弓
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2001/11/26
- メディア: 単行本
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品質を決めるもの
著者(トム・デマルコ)は、過去最高のソフトウェア製品として「アドビ・フォトショップ」を挙げています。その理由を以下のように説明しています。(以下、「第16章 品質管理 (p.126)」より)
フォトショップを最高のソフトとして選んだのには、次の理由がある。
- ユニークである。この製品が最初に発売された当時は、まったく類のない製品だった。
- 写真加工の概念を根底から覆した。
- 写真に対する考え方まで変えた(ヘレンはきれいに写っているが、マリーの写りがひどい写真も、捨てる必要はない。マリーの写りがよい写真と合成すればよいのだ)。
- 以前には想像もつかなかった事をできるようになった。
- 十分に工夫されている。特に、チャンネル機能はほぼ無限に応用がきき、その用途はいくらでも広がる。
- 完全に実装されている。たとえば、「元に戻す」機能を使えば、きわめて複雑な操作でも元に戻せる。
- 頭に入りやすいヒューマン・インタフェースを使っている。ほとんどマニュアルを使う必要もない。
- サードパーティーのアドオン・メーカー向けにインタフェースを提供している点で画期的である。
- きわめて安定している。
わたしがこのソフトを選んだ理由のうちの最初の9つを、ほぼ重要度の順に並べてみた。これら9項目のうち、欠陥がないことと関係しているのは最後の一つだけである。これが肝心な点だ。製品の品質は、欠陥の有無とはほとんど関係がない。もちろん、基本的にはすぐれた製品が、欠陥によって台無しになることはある(どの製品であれ、インタフェース・ブラウザを考えてみるとよい)。しかし、本当の品質を決めるには、欠陥がまったくないかどうかより、ユーザのために何をするか、ユーザをどのように変えるかという問題のほうがはるかに重要である。そのため、ブラウザは、腹立たしいほど頻繁にクラッシュしようが、品質の高い製品と見なすべきである。だからこそよく使うのだ。その品質は、なによりも有用性によって決まる。
品質と聞くと「製品のバグの量(総合テストで担保されるもの)」だと思いがちですが、ユーザ視点で見てみると品質(製品の質)も違ったものに見えてきました。"品質"の高いものづくりを目指したいものです(´・ω・`)
※ここでの「品質」と従来の「品質」は言葉的に分けたほうが良さそう(;´Д`)有用性(Availability)?価値性(Valuebility、なみひらの造語)?