「第14回クリティカルソフトウェアワークショップ (14thWOCS2)」に行ってきました(2日目)
2日目です。
セッションメモ
自動運転で変わるドライバーと車のインタフェース ~高品質なコックピットHMI実現に向けた取組み~
- デンソーテクノで自動車の運転席のソフトを作っている人。
- HMI
- HMIとは、人間と機械が情報をやり取りするための手段や、そのための装置やソフトウェアなどの総称。コンピュータにおけるHMIは特にユーザインターフェース(UI:User Interface)と呼ばれることが多い。
- それの運転席(コクピット)のソフト開発の話。
- HMIとは|ヒューマンマシンインターフェース|ヒューマンインターフェース − 意味 / 定義 / 解説 / 説明 : IT用語辞典
- 高品質とはバグがないことではなくて、利用者に実害が無いこと。
- 自動車ソフト開発の課題
- 要求が決まらない
- 長期保証
- 市場クレームが多い。
- 大規模ソフトになってきているが、ハードのスペックが低め。
- ユーザー視点の品質も大切。
- ユーザーも取り込み、スクラム開発を実施している。
- Novice Expert ratio Method(NEM)
- 初心者とプロの操作差異を定量化する手法
- フォルトツリー解析(FTA)
- 不具合の解析手法。
- フォルトツリー解析 - Wikipedia
- 設計者とデザイナーでお互い仕様の待合いでなく、あるべき姿に目指す議論を行うべき。
- 所感
- 人が死ぬかもしれないソフトで、絶対品質だけでなく、ユーザー価値の品質まで気にかけられるのがすごい。
- スクラムといっても作り直しが効かなそうなので、改善というよりもインクリメンタルな開発っぽそう。
スポーツxテクノロジーの現状と今後の課題
- ONE TAP SPORTSを提供している企業の人
- スポーツ業界の現状と未来の話。
- W杯で3勝したラグビー日本代表もフィジカルケア担当の人。
- 主観(寝れたとか)、客観(体重とか)のデータがある。
- 主観的なデータのほうが信頼性が高かったりする。
- 以下は一気通貫させるべき。はじめにデータありきではない。
- Strategy:どう勝つか?
- Winning Factor:勝つための要素はなにか?
- Winnign Stat:Winnig Factorの成否は何で図るか?
- Data Winnig:Statを実現するためにどんなデータを取るか?
- 海外事例で、6回ジャンプさせて、身体のコンディションを計るサービスがある。
- 海外事例で、脳神経を刺激してジャンプ力を伸ばせたりする。
- AIも流行ってきているがまだ確度、信頼性が低い。
- 一生をかけてやっている選手に不確実なデータは提供できない。
- 所感
- 手段から入りがちだが、上位の戦略をちゃんと決めとかないといけない。
X線天文衛星「ひとみ」運用異常で改めて認識した宇宙開発を取り巻く状況変化とソフトウェアシステム対策 ~今後に向けたメッセージ~
- JAXAの品質保証部の人。
- ひとみ(ASTRO-H)の不具合の受けての原因、対応方針の紹介
- 対策
- プロジェクトの文書化、品質記録の徹底
- 審査/独立評価の運用見直し
- 報告書にNASAが引くくらい詳細が書かれているらしい。要確認。
- 所感
- いろいろなところに問題があるような説明で、クリティカルな問題点がわからなかった(;´Д`)
宇宙システム開発からの学びの体系化と応用 ~様々なシステム開発からの学びを他の分野に活用する~
- 元々は三菱でこうのとりの開発していた人。現在は知識の体系化を研究している。
- 知識の体系化
- 4つの写真から1つの共通単語を見つけるアプリ
- 写真&単語 - 写真で連想クイズゲーム, 単語探し -Appliv
- こうのとりの安全設計について
- 2 Fail Safe
- 2障害でも安全を保証する。
- Must Work Function
- 障害耐性(冗長性など)を設ける
- Must Not Work Function
- 禁止機構を設ける
- 機能と物理を分離しても良い。
- 知識を伝えられるだけのシンプルさを追求すべし。
- 所感
- 安全、冗長性を求められる有人プロジェクトでシンプルを維持するのは大変そう(;´Д`)
Digital Success ~高信頼なシステム開発/運用のための定石と新手~
- IPAの人材育成、施策、資格制度についての説明。
- ソフトウェア開発のノウハウを体系化してガイドブック化している。
- 新国家資格「情報処理安全確保支援士」というのを作った。
- 知見維持のため研修がある。
- IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
- 所感
- 情報処理安全確保支援士が気になる(´Д`)
パネルディスカッション「より良き未来のために見る・知る・学ぶ・考える」
- 自動車産業の方、スポーツ産業の方、コウノトリ開発兼大学教授の方のパネルディスカッション。
- 主なテーマは、知識をどう体系化して、展開や伝えていくか。
- JAXAの「ひとみ運用失敗」も結構話に挙がっていた。
- ラグビーチームは各チームごとにプレイブックというのがあって、戦う理由、ブロックの仕方などなど全てが書かれている。選手はそれを完全に頭に叩き込んでプレイをしているらしい。
- 抽象度が高いと理解しにくいが範囲が広い。具体的だと理解しやすいが、範囲が狭い。具体化→抽象化→具体化を繰り返すべし。
- IPAが知識を体系化しているガイドブックがあったりするので、もっと参照したほうがいい。
- 所感
- 事前打ち合わせなしで、あそこまで盛り上がる、展開できるのはすごい(;´Д`)
- 知見の共有、学びの共有はやっぱり難しいらしい。
所感・まとめ
- 2日目は安全保障よりも知識の体系化と伝承の話が多め。
- 体系化や伝えることだけでなく、実際に手を動かせる(?)ことをしないと、実際に伝承できていなさそう(;´Д`)