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なみひらブログ

学んだことを日々記録する。~ since 2012/06/24 ~

書籍「組織戦略の考え方」の備忘録

背景

以下の書籍を読んで、印象に残ったところを備忘録的にメモっときます。

組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために (ちくま新書)

組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために (ちくま新書)

概要

  • 日本企業にありがちな組織活動・組織構造についての問題指摘、改善に関する本。
  • ありがちな組織活動
    • 集団の和を乱さない落としどころを探って物事を決めてしまう決定の仕方
    • 万人受けする「意思決定」の横行。賛否両論ある「決断」の不足。
    • 社内調整能力・社内ルールを上手くにこなす能力を重視する人事評価
    • 徐々にひどくなる複雑怪奇な社内ルール
  • 組織が腐っていく(停滞する)理由は、内向きの意識・作業が多くなってしまっているから、またそれらに忙しくなってしまっているから。強引にでも内向きなことを撤廃し、外向きな意識・活動に持っていくことが必要。
  • 企業の基本活動は利益を生み出し経営を維持すること。利益創出への貢献が評価の基本指針。

メモ

ボトルネックを明確にしてから改善する

(P.47)

 すべての部分が同じようにただただ頑張れば良いというものではない。まず第一にボルトネックと非ボトルネックでは異なるミッションを追求するべきなのだ。しかも第二にボトルネックを見極めた上で、そのボトルネックのリズムにあわせて全体を体系的に運営しなければならない。

ボトルネックを見つけてそこに対して改善しないと全体として改善の効果がないという話。

会社の利益を第一に考える

(p.48)

 日本企業では、いつの頃からか、「白分の生き甲斐を会社内で迫求する権利がある」と自分で思い込んでいる人が多くなった。戦前生まれの人たちが会社の中心だったころは、仕事ができないとクビになるといった恐怖感をもっていた人も多かったように思われるが、 近年では会社は皆が「自己実現する場」であると勘違いしている若手が多い。バブル崩壊後の危機的な状況下でも、リストラの危機感がない若い世代にはそう思いこんでいる人が多いように思う。

安西先生「お前なぁんか勘違いしとりゃせんか?」

(p.49)

 会社は、しかし、個々の社員が自分の生き甲斐を追求する前に利益を上げていなければならない。きちんと経営されていないとならないのだ。その点では、何よりもまず会社の利益を上げるという最終目標に合わせて、徹底的にボトルネックを中心に考え抜くという『ザ・ゴール』*1の姿勢は、近年の「大学のサークル」のような企業がダメであることを再認識させてくれたという意味で良き反省の切っ掛けを提供してくれたのである。

安西先生「お前のためにチームがあるんじゃねぇ。チームの為にお前がいるんだ」

(;´Д`)

組織構造自体は何も解決しない

(p.62)

(略)メチャクチャな組織には問題があるとしても、組織変革をすれば全面的に問題が解決するはずだ、という意見には同意しかねるケースが多い。なぜなら、組織構造や制度といったものは仕事の邪魔をすることはできても、仕事自体を自動的に処理してくれるものではないからである。当たり前のことだが、組織構造は自動機械ではないから、それ自体では何も解決してくれない。特定の構造の下で、何らかの判断を下して最終的に問題を解決するのは常にヒトであって、組織構造それ自体ではない。この点を勘違いしている人が多い。組織さえ改編すれば、どこかから誰か適切な判断を下せる人が湧いて出てきて、間題が解決するのだ、と信じているのである。

問題を解決できるかどうかは結局ヒトの能力次第(´Д`;)

自己実現欲求の前に承認・尊厳欲求を満たす

(p.89)
 (マズローの欲求階層説を挙げ、企業は「自己実現欲求」にばかり注目してしまっているという話が前段にあって)  企業組織のような社会システムを運営する上で日常的に一番重要なのは自己実現欲求なのではなく、それよりも低位の承認・尊厳欲求である。試みに身の回りの人々を見渡して欲しい。多くの人が、上司から、同僚から、部下から、この会社に不可欠な大事な人材なのだと承認され、感謝され、認められたいという気持ちに動かされて行動しているはずである。

組織は「自己実現できる場所と仕事の提供」の前に「人を認める仕組み」を作るべし〆(´Д`)メモ

役職・報奨以外でも認める

(p.94)

 ここで筆者が強調したいのは、たとえば「縁の下の力持ち」にも、別個に、個別に、まなざしを集中してあげるなど、いろいろ工夫を考えるべきだということである。もちろん、人件費が高騰し、売上・利益の低迷によって原資が限られている今日、全員にカネで報いることはできない。いかに「縁の下の力持ち」をコトバでたたえても給料を上げることはできないのだ、と反論されそうだ。
 しかし、それで良いのだと思う。世の中には給料は増やせないけれども、本当に感謝していると、誠意のあるコトバで報いるという方法があるではないか。(略)いつの間にか高い評価も低い評価も避けてしまう仲良しクラブになった組織を、もう一度、はっきり評価がフィードバックされる組織に変革すること、また、その際に縁の下の力持ちを初めとする多様な貢献をきちんと評価すること、これが大事だということである。

お金も欲しい(´,,・ω・,,`)

集合財にフリーライド

(p.103)

 公共財・集合財とそれにフリーライドする人というのは、いろいろな場面で見ることができる。たとえば、会社の業績の高さというのは、その会社の従業員たちにとって集合財である。自分が頑張らなくても、誰かが頑張れば、自分の会社の業績は高まり、自分の給料も手に入れられる。自分の部門がダメでも、他の部門がしっかり努力してくれれば、ボーナスは低くても月給は何とか支払われる。

フリーライド(ただ乗り)という考え方(;´Д`)

責任感がある人を採用・育成する

(p.116)

(略)フリーライダー問題の解決策の基本は、確実ではないが、単純ではある。つまり、責任感の強い人を採用・育成するという前提の上で、組織全体の長期的な運命と自分の運命が密接に関連していると思う人をある程度作っておくことである。

責任感がないので、責任感を持ちたい(小声)

賛否両論を生む決断が大事

(p.122)

 実際、簡単な意思決定ならできるが、重い決断はできないという人が多く、企業組織の運営に大きな問題を生じさせている。決断が不足しているためにずるずると業績を落としている企業や、みすみす貴重な事業機会を逃している企業が多いのである。
 (略)
 決断は単なる意思決定ではない。「何かを捨てて、何かを取る」とか、「今から一時的に悪化しても、長期的に再浮上する」とか、「特定の人には不利になるが、他の人には有利になるという不公平な結果をもたらすけれども、組織の長期的な成長のためには不可欠である」等々、大胆で不連続な側面を持った意思決定である。決断は一部の人々に苦痛を強いたり、社員全員に一時的に苦労を要求したりすることになる。
 (略)
 多くの人の運命を巻き込み、それゆえに多くの人々から注目と称賛と罵声を浴びる。それが決断である。

決断には、納得できる論理的な説明が必要そう(;´Д`)

(p.131)

 まず第1番日の典型的な徴候は、製品開発プロジェクトなどで、フルライン・フルスペックの仕様書が多数出てくることである。コストは他社より低く、すべての性能に関して他社競合製品を上回るものを、他社よりも早く市場に導入せよ、というような要求が出てきたら要注意である。 (略)
 言うまでもなく明らかだと思うが、上のような要求は誰でも決められる。すべての点で他社製品よりも優れているものを作るべきだとか、すべての点で競争相手よりも高い経営成果を達成するべきというものは定義的に誰も反対しえない。問題は時間や人材や予算の制約があるから、 競争相手を上回ることは簡単にはできないというところにある。だから、一部については目をつむってもらうか、いま負けていても数年後に逆転するという経路を受け容れてもらうか、といった決断が必要なのである。

よくありそう(;´Д`)

エースには重要な仕事だけ回す

(p.136)

(略)どこからどこまでがか各自の責任範明なのかがあいまいな日本の組織では、少しでもできる人には大量の仕事が集中してくる傾向がある。(略)エースに重要な仕事が集中するのは組織全体にとって適切だから、経営上の深刻な問題ではない。問題は、重要でない仕事までエースに集中してしまうという点である。本当のボトルネックであるエース*2の仕事処理能力を無駄遣いしてしまうことになるから、こっちの方は経営上の深刻な問題である。

各人が己の仕事に集中できる仕組みが必要。

利益を出す基本活動が評価の第一観点

(p.174)

(略)トップ・マネジメントを評価する際に、社内の融和に貢献があったとか、集団を心情的にまとめる力があるといったウチ向きの評価基準を使わない、ということである。これらの活動を評価するなということではない。これらの活動のみでトップに昇進することがないようにしておく、ということである。
 たしかに集団を心情的にまとめるとか、共同体を共同体として維持するといったウチ向きのマネジメントも大事である。しかしそれがいかに大事に見えても、その大事さは、新製品を開発したり、信頼性の高い製造を行なうとか、新規市場を開拓して売上高をアップするといった、利益を稼ぎ出す企業の基本活動への貢献よりも重みのあるものにはなり得ない。企業は従業員のモノであろうと、株主のモノであろうと、まず第一に利益を出す経済組織体である。だから利益を出す基本活動をどれほどクールにマネージできるかという要素を評価の第一番目に置くべきである。

実際モノを売ったりしない開発部門だと、利益を守るためのコスト削減とかのほうがわかりやすそう。

成熟事業部は暇になる

(p.190)

(略)同じ人員がずっと同じ仕事をしていて、仕事量そのものが変わらないのであれば、時間の経過と共にメンバーたちは効率を高め、組織全体としての生産能力・仕事遂行能力が向上し、皆が徐々に暇にな っていくはずである。仕事量は市場規模に比例するだろうから、成熟した市場に直面している事業部は、毎年一定の比率で暇になっていくはずである。
 しかし、成熟した事業部から毎年一定の比率で余剰人員が他の事業部に出ていって、成熟事業部の人員数が徐々に減っていくという現象は必ずしも一般的ではない。なぜなら「成熟事業部」は、その会社の本業であったり、利益の稼ぎ頭であったりするからだ。
 成長性という点では会社を牽引する力になっていないが、利益性という点では中心事業部なのである。(略)
 事業部の独立性が強い会社や本社人事部の権限が弱い会社では、この「成熟事業部」から人を引き抜くのが極めて難しい。その事業部の人は「忙しくてたまらん」と言ってはいるが、実は成熟事業部は抱えている仕事量よりも、仕事遂行能力の方が大きいのが普通である。既に事業の基本骨格はでき上がっているのだから、新規事業に比べればずっと楽なはずだ。忙しいのは内向きの仕事で忙しいだけなのである。

暇になっている素振りがない(;´Д`)

組織腐敗からの回復

(p.210)
 まず第一に、既存の秩序をできる限り徹底的にきれいに破壊することである。複雑怪奇化してしまったルールや不文律、手続きな等々、一回白紙に戻してしまうほど、思い切った破壊が必要である。間違っても現状の改善などを目指してはいけない。(略)
 第二に、この既存秩序の破壊に伴って、社員たちの注目が一時的に社内に向いてしまうのを、新規事業の開発や既存事業の利益水準の回復に向ける必要がある。(略)既存秩序を破壊し、新しい組織デザインへと移行するシナリオについて、コアの人材たちに極めて明解な論理で説明することである。(略)かなり思い切った若手の人事異動を行なう必要がある。成熟した本業部門・保守本流部門に過剰に配置されていた優秀な若手を乱暴なまでに引き抜いて、新しい事業を開発するプロセスに従事させる必要がある。 (略)
 第三の改革ポイントは、暇と忙しさのメリハリをつけることである。暇な人と忙しい人のメリハリ付けると言い変えても良い。優秀層とそれ以外を明確に分けてしまうことを恐れてはいけない。ここまで組織が腐ってしまったら、優秀層を際立たせてしまって被る組織内のマイナスなど無に等しい。

これも決断(´Д`)

まとめ

内向きを反省し、外向きになりたい(´Д`)

*1:

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

*2:決断できるエースの決断が組織推進のボトルネックになるという意