書籍『クラウドコンピューティングの幻想』を読んだ。
以下の本を読みました。
- 作者: エリック・松永
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2009/03/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読んだきっかけ
今仕事でTHE クラウドといったまさにクラウドを活用したサービスの設計・開発を行っています。そのクラウドに幻想があるのか!?( ´Д`)。そんなことが気になってこの本を手に取りました。
内容
内容的には以下のことです。
- 「クラウド」って言葉が先行してない?
- クラウドのようなコンピュータリソースの話って昔からあったよね
- 「クラウド」って「仮想化」とか技術先行で話が進むよね
- 「経営視点」「顧客第一主義」の視点にみんな戻ろう!
- みんなGoogleやAmazonになろうとしてない?
- GoogleとAmazonってクラウドに対する戦略がそれぞれ違うよ。
- コンシューマ向けクラウドと企業向けクラウドの違いは?
著者は「クラウド」ということが暴走していることに懸念を抱き、もう一度「クラウド」をコンピューティングの歴史での位置付け、現状を通して、捉え直そうとします。 著者ははじめにこの本の目的を以下のように述べています。
最近注目されているクラウドコンピューティングは経営的な視点から、企業に大きな変革を与える可能性のある重要なキーワードであり、流行モノのバズワードとして扱ってはいけない重要なキーワードの1つなのです。企業は今回の世界的な金融危機を皮切りに経営を根本から見直さなければいけなくなります。生き残るためにあらゆる手段を考えなければなりません。 そのなかで議論しなければならない課題の1つが、「ITを自社で持つべきか、持たざるべきか」という議論です。クラウドコンピューティングの議論は、このような経営的な視点で議論されるべきテーマであり、IT技術のみの話では決してないのです。クラウドコンピューティングをIT視点に限定するのではなく、広く経営視点で考えるべきであるという本書の最大の主張です。
所感
クラウドとは昔からあるコンピュータリソースの話であり、「顧客第一主義」「経営視点」はぶれてはいけないという言葉に刺激を受けました。 「クラウドはいいですよー」という楽観的な提案ではなく、クラウドはソリューションの実現手段の1つだということ。 その実現手段の選択は顧客がすること。 顧客も自分も「幻想」に惑わされてはいけない。顧客のちゃんと見なければ、クラウドだろうが、クラウドじゃなかのうが、いいソリューションは提供できないということを改めて感じました。